切らずに、がんを治療する 重粒子線じゅうりゅうしせん治療

01 重粒子線治療とは

重粒子線治療は、がんの放射線治療の一つです。光の速さの約70%に加速した
炭素イオンを、がん病巣に狙いを絞って照射する治療法です。

がんの治療法

【3つの特徴】

切らない治療

切らずに、痛みもなく、高齢者にも優しい治療です。

がん病巣を集中的に照射

重粒子線は、がんの病巣にのみ大きなエネルギーを与えることができるため、
正常組織への副作用が抑えられ、難治性のがんにも効果が期待できます。

外来通院で行うがん治療

重粒子線は従来の放射線に比べて、治療回数・日数が少なくすみ、
日常生活を続けながら外来での治療が可能です。

02 重粒子線で治療できるがん

重粒子線治療は、全身への転移がない固形のがんが対象となります。保険適用アイコンがある疾患は、公的医療保険が適用されます。

重粒子線で治療できるがん

※1.頭蓋底腫瘍を含む。口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く。

※2.局所とは骨盤骨、第5 腰椎、その周囲の部位を指す。

※3.腺癌・6cm以上の扁平上皮癌。

※4.婦人科領域(外陰・膣・子宮)から発生した悪性黒色腫。

すべての重粒子線治療に共通する一般的な条件

  • 病巣(がん)が限局し、同時に遠隔転移していないこと
  • 30分間程度安静な状態で横になっていられること
  • 治療対象部位が消化管に近接していないこと
  • 全身状態が良好であること(パフォーマンス・ステータスが0-2 ※骨軟部腫瘍は0-3)
  • 照射予定領域に活動性で難治性の感染症を有しないこと
  • がんの告知を受け、重粒子線治療を自らの意思で希望していること

当センターで行う重粒子線治療は、保険診療、先進医療、自由診療、いずれの場合も日本放射線腫瘍学会の統一プロトコールを基準とし、
当センターキャンサーボードで専門医による十分な検討を行った上で実施します。

受診後の検討(キャンサーボード)の結果、重粒子線治療の適応とならない場合もあります。

03 大阪重粒子線センターの治療実績等

大阪重粒子線センターは、2018年10月からがんの重粒子線治療を開始しました。患者様は国内外からお越しいただいております。

治療実績 治療実績

大阪重粒子線センターでは、主に近畿圏の大学病院・がん診療連携拠点病院等と協力して、外科や内科的治療などを併用した集学的治療を行っています。

集学的治療

04 重粒子線治療の流れ

当センターは完全予約制で診療を行います。初診・セカンドオピニオンのご予約はいずれも、
患者様の主治医の属する医療機関の医療連携室から当センターの医療連携室宛に予約のお申込みを
お願いいたします。患者様からの直接の受診予約は受け付けておりません。

まずは、主治医にがんの重粒子線治療についてご相談ください。

医療連携
治療の流れ
受診から重粒子線治療
までの流れ

初診から治療終了後までのスケジュールイメージは下記の通りです。

初診
インフォームド
コンセント

1日

金マーカー留置
(他院)

1~2日

再診と
固定具の作製

1日

CTシミュレーション
造影CT・MRI撮影

1~2日

治療計画

5~7日

治療リハーサル

1日

重粒子線治療

1~5週間

経過観察

05 重粒子線治療の費用

当センターでの重粒子線治療は、患者様の病状により「保険診療」「先進医療」「自由診療
(自費診療)」で行われます。

<保険診療の場合>

保険診療の費用

※自己負担割合は、年収や収入によって異なります。
※公的医療保険適用部分は、高額療養費制度の適用により、自己負担が軽減されます。(下記参照)

■高額療養費制度について

公的医療保険適用部分は、高額療養費制度の適用により、自己負担が軽減されます。加入する保険組合等から「限度額適用認定証」の交付を受けることで、ひと月の窓口での支払額が自己負担限度額までとなります。

実質自己負担額の目安(保険適用の疾患の場合)
年齢区分 年収の目安 負担割合 実質自己負担額の目安
(保険適用の疾患の場合)
70歳以上 住民税非課税 1~2割 約8,000円
約156万~370万円 約18,000円
69歳以下 住民税非課税 3割 約35,400円
約370万円以下 約57,600円
70歳以上及び
69歳以下
約370万~770万円 3割 約110,000円
約770万~1,160万円 約190,000円
約1,160万円以上 約270,000円

高額療養費制度について詳しくは加入している保険組合にお問い合わせください。

<先進医療の場合>

先進医療の費用

※自己負担割合は、年収や収入によって異なります。
※公的医療保険適用部分は、高額療養費制度の適用により、自己負担が軽減されます。

<自由診療の場合>

保険診療や先進医療の適応以外の重粒子線治療は自由診療となります。自由診療の場合は、
公的医療保険の併用はできず、診察・検査・薬代・照射料等含め、全額患者様の負担になります。
自由診療による重粒子線治療の照射技術料は314万円+消費税になります。

06 よくあるご質問

紹介状を持っていませんが受診できますか?+

原則として紹介状(診療情報提供書)等が必要です。紹介状(診療情報提供書)は、患者様の状況を一番把握されている現在の主治医に書いていただいて下さい。
なお、受診に際しては予約も必要です。

予約をしていませんが、受診できますか?+

原則として予約が必要です。
当センターの受診は完全予約制となり、予約は当センター/医療連携担当が受け付けています。紹介元医療機関の(地域)医療連携室のご担当者様や看護師等に予約申込をお願いしてください。

受診するにはどうしたらよいですか?+

主治医に「大阪重粒子線センターで重粒子線治療を受けたい」「大阪重粒子線センターで
重粒子線治療の話を聞きたい」とご相談いただき、紹介状等をご準備いただいてください。

【ご用意いただきたい資料】

  • 診療情報提供書(紹介状)
  • 最新(3ヶ月以内が望ましい)の画像と経時的変化がわかる画像のCD-Rとその読影所見(※CT・MRI・RI・PET-CT等)
  • 最新(3ヶ月以内が望ましい)の採血結果と経時的変化がわかる採血結果(※腫瘍マーカー、尿素窒素、クレアチニン値、感染症等が分かるデータ)
  • 病理所見
  • 呼吸機能検査結果(※肺がん患者様の場合は必須)

当センターの受診は完全予約制となり、予約は当センター/医療連携担当が受け付けています。紹介元医療機関の(地域)医療連携室のご担当者様や看護師等に予約申込をお願いしてください。「FAX用受診予約申込書(Excel/PDF)」は、当センターのホームぺージから紹介元医療機関のご担当者様にてダウンロードいただき、申込手順にそってお申込みください。

ご不明な点やご質問等ございましたら、紹介元医療機関のご担当者様から、当センター/医療連携担当にお問い合わせをお願いいたします。(代表TEL:06-6947-3210)

セカンドオピニオンを受けるにはどうしたらよいですか?+

基本的に、受診予約の流れやご用意いただきたい資料は一緒です。主治医にご相談の上所定の書類(診療情報提供書・採血結果・CT/MRI/PETの画像CD-R及び所見・病理所見等)をご用意いただき、病院の(地域)医療連携室を通してお申込み下さい。
セカンドオピニオン受診は必ずしも患者様本人でなくともかまいません。ご家族様のみでも、相談を受けることが可能ですが、セカンドオピニオン時に当センターの医師がこれまでの経過や病状等について質問することがありますので、既往歴(今までにかかった病気、手術など治療歴)・症状・ADL等、経過をよくわかっているほうがスムーズにすすみます。医師は、今までの経過や画像などを参考にしながら、患者様の今後の治療法について重粒子線治療を含めて参考となる情報・意見を提供致します。

どのようながんが治療の対象となりますか?+

すべてのがんが重粒子線治療の対象ではありません。当センターでは、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)で決定された統一の方針(保険診療適応症)(先進医療適応症)に基づいて治療を行います。

ペースメーカーが留置されていても治療はできますか?+

重粒子線治療に伴いペースメーカーが故障するリスクがあります。
適応については、循環器内科の医師との相談が必要です。

放射線治療歴がある場合でも、重粒子線治療は受けられますか?+

治療を行う部位と全く同じ部位に放射線治療を行っていた場合、その部位に対する重粒子線
治療を行うことは難しい場合が多いです。
重粒子線治療適応の可否につきましては、当センターの医師やキャンサーボードにて慎重に
判断致します。

がんが転移していても治療できますか?+

基本的には困難ですが、疾病・病状により異なりますので、ご自身の主治医にご相談下さい。

治療をうけるのに年齢制限はありますか?+

基本的に12歳以上からで、上限は特にございませんが、安静な状態で(ベッドの上で)
30分から1時間程度じっと動かないようにできることが条件となります。

X線治療・陽子線治療と重粒子線治療は何が違うのですか?+

重粒子線治療も放射線治療の一種ですが、X線治療と重粒子線治療では「放射線量の集中性」と「生物学的効果(がんを殺す力)」が異なります。

治療中に入院の必要はありますか?+

重粒子線治療は身体の負担が少ない治療のため、外来通院での治療が可能です。
ただし、治療内容や病気によっては、紹介元病院や近隣医療機関に入院の上、治療を
お願いする場合がございます。

1回の治療時間はどれぐらいですか?+

実際に重粒子線が照射される時間は5~20分程度ですが、治療室に入ってから出るまでの
時間は、更衣や照射前の位置決め等を含め15~120分くらいとさまざまです。
肺癌、肝臓癌、骨軟部腫瘍、膵臓癌の一部など、呼吸に合わせた治療を行う場合は、
少し時間がかかります。

治療にはどれくらいの期間がかかりますか?+

治療期間は、それぞれのがんによって異なります。
当センターでは通常4~20 回(1日~1ヶ月程度)の治療を行う予定です。

治療中に痛みを感じることはありますか?+

照射そのもので痛みや熱さを感じることはありません。

治療中に髪が抜けるなどの副作用(治療に対する有害反応)はありますか?+

照射部位の脱毛はありますが、照射されていない部位の脱毛はありません。
重粒子線治療では、がんを含む限られた範囲に必要な量だけ照射することができるため、一般の放射線治療に比べ、かなり副作用は少ないですが、副作用が全くないとはいえません。治療部位、照射方向、照射線量によって副作用の症状は異なりますし、同じ様な治療計画でも、副作用の現れ方には個人差がありますので、治療を決める前のインフォームドコンセント時に、起こりうる副作用や副作用が起こった場合の対処法などについて担当医・看護師等から詳しくご説明させていただきます。

治療を途中でやめてもいいですか?+

治療を途中で中止した場合、がん細胞が重粒子線によるダメージから回復してしまい、
大きく治療効果が下がってしまいます。
治療期間中どうしても都合が悪く、通院治療ができない日がある場合、事前に
おわかりでしたら、治療開始前に当センターの医師にご相談ください。

治療中は入浴できますか?+

治療中も普段通りに入浴していただいてかまいません。照射部位の皮膚は炎症が生じ軽い日焼け状態になっていますので、刺激に対し敏感になっています。入浴の際は、熱湯に長時間つからないこと、照射部位をこするなどの強い刺激を与えないように注意してください。
また、温泉・サウナ・岩盤浴・海水浴・プールに関しては、治療中や治療直後は避けられることをおすすめいたします。照射部位の炎症が改善してからゆっくりお楽しみください。

治療が終わればがんは消えますか?+

がんの種類にもよりますが、重粒子線によってダメージを受けたがんは時間をかけて徐々に
縮小していきます。
治療中に効果がわかることもありますが、治療効果がでるまでにある程度の時間を要します。
そのため、治療後は主治医と当センターにて定期的な経過観察を行います。

治療の効果はどのように判定するのですか?+

治療の効果判定方法は、主にCT/MRI/PET-CT等の画像検査、診察所見、血液検査
(腫瘍マーカー)、患者様ご自身の自覚症状の改善が挙げられます。
治療の効果は1回だけの検査で判断できませんので、治療後も1~6ヶ月毎の経過観察を
当センターにて行います。

診察費の支払いは現金以外でもできますか?+

現金以外に、次のクレジットカード(VISA/MasterCard/JCB/American Express等)及び
デビットカードがご利用できます。

保険診療による重粒子線治療の場合、治療にはどのくらいの費用がかかりますか?+

保険診療による重粒子線治療の場合、重粒子線治療の医療費についても通常の医療と同様です。自己負担割合に応じて1-3割の自己負担が必要となります。(切除不能な骨軟部腫瘍(骨や筋肉、血管、皮下組織などの軟部に発生する腫瘍)、頭頸部悪性腫瘍や局所限局性の前立腺がんなどに加え、2022年4月より4cm以上の肝細胞がん、肝内胆管がん、局所進行膵臓がん、大腸がん術後局所再発、局所進行子宮頸部腺がん(いずれも切除不能のもの)が、2024年6月よりⅠ期からⅡA期までの早期肺癌、長径6㎝以上の局所進行子宮頸部扁平上皮癌、婦人科領域の臓器から発生した悪性黒色腫が新たに保険適用になりました。)

保険診療においては、「高額療養費制度(ひと月に支払う医療費が高額になった場合に、お支払いいただく額を、決められた上限額までにとどめる制度)」が適用になります。
(※先進医療は保険適用外です。)
あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受ければ、医療機関の窓口に提示することで、医療機関毎にひと月の支払額が自己負担限度額までとなります。(上限額は、個人もしくは世帯の所得に応じて決まっています。)

高額療養費制度に関しては、厚生労働省のホームぺージまたはご加入の保険者にお問い合わせください。ご加入先はお持ちの被保険者証でご確認ください。

  • 健康保険組合、全国健康保険協会、共済組合
  • 国民健康保険組合
  • 各都道府県の後期高齢者医療広域連合
  • お住いの市町村(国民健康保険担当、後期高齢者医療担当)
保険ではない場合、重粒子線治療の照射技術料はいくらですか?+

先進医療の場合、重粒子線治療の照射技術料は314万円です。
自由診療の場合、重粒子線治療の照射技術料に関しては314万円+消費税になります。

施設内に駐車場はありますか?+

ございます。ただし、数に限りがございますので、当センター内の駐車場が満車の際は、
近隣の駐車場をご利用ください。

施設内に売店やATM等はありますか?+

当センター内には飲物の自動販売機はありますが、売店、ATM、喫茶店等はございません。

近くに宿泊施設はありますか?+

当センターの近隣には、宿泊施設がございます。
宿泊の手配は行っておりませんので、患者様ご自身でお願い致します。

車いすを借りることはできますか?+

来院時に車いすが必要な場合、受付にお申し出いただき、お帰りの際に再度受付にお声かけ
ください。(※車いすは数に限りがございますのでご了承ください。)

07 大阪重粒子線センターのアクセス

大阪の中心地に立地した大都市ならではの便利な交通アクセス。
最寄駅のOsaka Metro谷町線・中央線「谷町四丁目」駅から徒歩約10分。

アクセスマップ

<がん治療を検討されている皆様へ>

がんと診断されたら、誰しも不安な気持ちでいっぱいになるのは当然のことですが、患者様がご自身の病気や病状を正しく理解して、納得のいく治療選択を行っていただくために、このページでは治療選択肢の1つになり得るかもしれない、がんの重粒子線治療について簡単にご紹介いたしました。

受付

こちらのページをご覧いただき、がんの重粒子線治療についてわからないことやご質問等ございましたら、大阪重粒子線センターにお電話やホームページから直接お問合せいただければと存じます。